【書評】読みたいものを、書けばいい。
さて、今回は大型書店をぶらぶらしていたときに、たまたま手に取って「はじめに」の文章を見た後に購入を決意した本を紹介したいと思います。それにしても大型書店はこういう偶然の出会いがあるのが良いですね。Amazonでの書籍購入も好きなのですが、パラパラと本をめくって内容を確認しづらいという弱点がありますので。
こちらの本になります。田中さんの「読みたいものを、書けばいい。」です。田中さんは僕が全然好きじゃない企業(失礼)である電通でキャリアをつまれ、なんやかんやあって今は独立してフリーライターとして活躍されているお方です。
内容には、「重要なのは何を書くかよりも誰が書くか」といった割と直球で危険なものも含まれているのですが、根底に流れる空気としては、タイトルの通り自分が読みたいような文章を書けば良いんだというものが流れています。いささか全体としてギャグ要素を詰め込みすぎているので、せっかくの伝えたい内容が希薄に見えてしまうという失敗(それを失敗と言えるかは判断できませんが)はあるものの、僕個人としてはサイト運営で文章の書き方に悩んでいることもあったので、「あ、好きに書いていいんだ」と気持ちが楽になりました。
そのため、ブログを書いている人やツイッターで情報発信をしている人にはもちろんおすすめです。また、文章を書くことに興味がある・ないに関わらず、とりあえず「はじめに」を立ち読み(失礼)してみることをおすすめします。そこで空気感がなんとなく良いな、と思った人は購入してみるのが良いでしょう。僕にとっては大当たりでした。
どのくらい「当たり」だったかというと、僕はビジネス書(著者はこの本をビジネス書と定義していませんが)と小説を同時に読むことがあるのですが、ビジネス書を読み終わるまでに数冊小説を読み終わってしまうことが多いのです。やはりビジネス書よりは小説の方がおもしろいことが多いですからね。ところが、この本は読んでいる間にほぼ小説に手を付けることがありませんでした。これは僕にとっては割と衝撃的なことになります。僕がどれくらい小説が好きかというと、大学時代に交換留学の切符をかけたTOEFLの試験前日に東野圭吾の「さまよう刃」を試験後のご褒美として購入してしまい、結局我慢できずに当日の試験開始前までに読み終わってしまうという残念エピソードがあるレベルです。
さまよう刃は本当におすすめです。小説を読んでいて「空気が止まる」感覚を味わったのはあの1冊だけです。ん?なんか全然違う方向になってしまいました。ちなみにTOEFLは無事大学が求める点数を取り交換留学できました。
話がそれまくりましたが、それくらい小説好きな僕が小説より先に読み終わった本です。一度手に取ってみてくださいね。