【書評】Who Moved My Cheese?
今回は、会社の用事で海外に遠征していたときに、昔日本語で読んだことがある本の英語版(というかオリジナル版)があり、さっそく購入して読み終わりましたのでご紹介します。Who Moved My Cheese?です。
日本語版だと「チーズはどこへ消えた?」ですね。一時期ものすごく流行した本なので、僕のように過去に日本語版を読んだことがある人もいるかもしれません。それにしても上手い翻訳ですね。僕なら「誰がチーズを動かした?」という直球の訳をタイトルにつけていたと思います。
内容としては、2匹のネズミであるスニフとスカリー、そして2人の小人であるヘムとホーが、迷路の中でチーズを探し回るうち、ついに大量のチーズが格納されている「チーズステーションC」にたどり着くことから始まります。「チーズ」とは、自分の人生にとって素晴らしいものだと考えてくれればOKです。
そのチーズステーションCにおいて、毎日愉快な生活をエンジョイしていた2匹と2人ですが、突如チーズがなくなってしまいます。ここから、2匹と2人による対応が始まるわけです。
結論から書いてしまうと、賢くない方のネズミ2匹が先にうまく対応し、別のチーズステーションである「チーズステーションN」にたどり着きます。ところが、賢いはずの小人2人による対応が目も当てられないものになっているのです。
この本の本質はこの小人2人の対応にあります。そして、読者はこの小人2人の対応を通じて大きく得るものがあるのです。この小人たちの対応について「あほだな」と鼻で笑うのは簡単です。ですが、果たして自分にとって「当たり前」と思えるものが突然消えた時に、必死でしがみつくのか、すっぱりとあきらめて次の「当たり前」を探す旅に出るのか。ほとんどの人間は残念ながら前者です。僕もこれまでの経験から自分は前者だと確信しています。
しかしながら、小人2人の対応にも差があります。ここでは内容のコアに関することなので、どのような差があるかは書きませんが、少なくともこの本を読むことによって、自分の人生においてチーズが消えた時にどのような対応を取れば良いか知ることが出来ます。
この激動の時代、昨日の当たり前が今日の非常識ということも、そこまで珍しいものではないというと言いすぎかもしれませんが、少なくとも僕が想像していたより時代の流れが非常に早くなっています。つまり、過去に生きていた人と比べて、変化に対応することが非常に多く求められるのが現代人の人生だということです。そんな時代において、この本は以前と比べて計り知れないほどの教訓を読者に与えてくれるものとなっています。僕はこの本を海外で購入してからすでに3回読んでしまいました(ヒマだったというのもあります)。
一瞬で読み終わることが出来るので、これからの時代を生き抜くための心構えを知るという意味でも一読を強くお勧めします。また、非常に簡易な英語で書かれているので、英語のリーディング練習としても使えます。
日本語版はこちらになります。英語なんて読みたくねぇよという方はこちらを是非。