今回はUSCPAに関して、受験に必要となる受験要件とそれに伴う不足単位の取得の情報について書いていきたいと思います。USCPA受験の最初の壁として立ちはだかるのが、こちらの「受験要件」になります。こちらを満たさない限り、USCPAを受験することすら出来ません。

USCPAの受験要件

USCPA試験において、受験の準備をする前に、まずは自分が試験を受験するための各種要件を満たしているのかを確認する必要があります。ところが、アメリカは連邦制のため、各州によってUSCPA試験に対して求められる受験要件が異なります。各州の要件を確認するのはUSCPA受験者にとっては面倒ですが、逆に自分に合った要件を課す州に対して受験をすれば良いので、ある意味メリットなのかもしれません。また、受験要件が各州によって異なると言っても、概ね下記のような要件を求める州が多数を占めます。

  1. 4年制大学卒業
  2. 会計の単位
  3. ビジネスの単位

州によってはモンタナ州のような短期大学でもOKなところもあり、他の条件である会計の単位及びビジネスの単位で必要な単位数も州によって異なります。しかし、大抵の場合はこれら3点が求められると考えてもらえば大丈夫です(最新情報は必ず専門学校等にご相談ください)。

ちなみに、選択する州によってUSCPAの受験難易度が変化するわけではありませんので、自分が一番満たしやすい要件の州を選択して受験しても問題ありません。また、選択した州に行って試験を受けなければならないということもありません。僕はメイン州を選択し、最初の2科目(FAR、BEC)はハワイで受験し、残りの2科目(AUD、REG)は大阪で受験しました。

学歴審査

USCPA受験において、自分の卒業した(又は在学中の)大学で取得した会計やビジネスの単位が、選択する州の学歴要件を満たしているかを確認するための手続きが必要となります。それが「学歴審査」です。学歴審査の方法としては自分の卒業した大学に連絡を取り、直接赴いたり郵送したり何らかの方法で英文の卒業証明書と成績証明書を発行してもらいます。この際、大学によっては取得するまでに時間がかかるので注意が必要です。そして以下の3点を国際郵便で「学歴審査機関」に郵送します。

  • 英文の卒業証明書
  • 英文の成績証明書
  • 学歴審査の手数料

宛先となる学歴審査機関は州によって異なりますが、FACS等が有名な学歴審査機関になります。この際、学歴審査の手数料としてアメリカに「現金」を送る必要があるため、現金輸送用の特殊な用紙を記入しなければなりません(郵便局で入手可能)。地方に住んでいる人にとっては、郵便局の職員の方々がアメリカに対する現金の輸送に慣れておらず、用紙の取扱い方法がわからない可能性があるので、なるべく大きな郵便局に行った方が無難です。僕は当時地方に住んでいましたが、その地域で一番大きな郵便局にお願いして何とか送金することが出来ました。

審査結果

審査結果は郵送してから数週間後に、自宅に届きます。自身の学歴が受験要件を満たしているか確認する緊張の瞬間です。この学歴審査の結果は、自分が受験すると決めた州の担当者にも郵送されることになります。それによって、州の担当者が受験者に受験資格が備わっているのかを知ることができるのです。以下に僕の学歴審査の紙をのせておきます。

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個人的な情報はブラックアウトさせていただきました。学歴要件を満たしていない場合は、どのような単位がどの程度足りないのかが記載されていると思います。しかし、専門学校の人に自分の英文の成績証明書を先に見せておけば、これまでの傾向からどの単位がどれくらい足りないのかを事前に知ることができるので、先に専門学校に確認して、足りない場合は追加で単位を取得してから学歴審査を行った方が良いと思います。学歴審査にも割とお金と手間がかかってしまうので、単位が足りない可能性がある人は面倒を事前に防いでおきましょう。

受験要件を満たさない場合

受験要件を満たさない場合(例えば大学は卒業しているけど会計やビジネスの単位がUSCPA受験要件を満たさない場合)は、専門学校が提携している大学の講義を受講して一定以上の成績をおさめることにより単位を取得することにより受験要件を満たすことが可能です。詳しくは、専門学校にご確認ください。

ちなみに僕がUSCPAを受験した時には、学歴要件は「四年制大学卒業」だけの「メイン州」という会計学部以外の学生には救世主のような州で受験したのですが、僕がメイン州受験でFARとBECに科目合格を取得した直後に「会計の単位が必要」という学歴要件に変化しました。幸い、科目合格の期限がある間は旧学歴要件で全科目合格すればOKだったので助かりましたが、非常にヒヤッとする経験でした(結局ライセンス申請の際に単位は追加で取得することになったのですが)。

このように、州単位で学歴要件が異なる上に、急に学歴要件が変わることがありますので、念のため自分が受験を予定している州の学歴要件が変更されないかはチェックしておいた方が良いでしょう。

以上で、受験要件と単位取得についてを終わりたいと思います。