意識タカコさん

USCPAに興味あるんだけど、アメリカの資格だし、正直どのくらい難しいのかイメージがつかないよ。そのあたりの情報について教えて?

今回は、USCPA試験の難易度について書いていきたいと思います。今回の記事のコンテンツは以下のようになります。

コンテンツ

  • USCPAの難易度:客観的データと、そこに潜む罠
  • USCPAの難易度:合格者としての主観的な印象
  • 最後にメッセージ

USCPAの難易度:客観的データと、そこに潜む罠

USCPAの難易度を知るために、まずは客観的なデータを見ていきたいと思います。客観的なデータとは、「合格率」と「合格までにかかる勉強時間」となります。

USCPAの合格率

USCPAの合格率は以下の通りとなっています。

科目201920202021
FAR46.31%49.98%44.54%
BEC59.98%65.56%61.94%
AUD56.34%52.84%47.98%
REG51.01%62.29%59.88%
AICPAを元に作成

こちらを見ると、各科目の合格率は約40%~60%とかなり高いものとなっています。このデータを利用して、予備校は「合格率が高く、十分働きながら全科目合格が狙える資格です!」というアピールをします。

参考までに、合格までに1ヶ月程度の勉強が必要と言われる「簿記3級」の合格率が50%前後となっています。

では、USCPAは各科目を1ヶ月ずつ勉強して、合計4か月で合格が狙える資格なのでしょうか。実際に勉強されている方はわかると思いますが、全く持ってそのような簡単な試験ではありません。ここに、罠が潜んでいます。

高い合格率の罠

一見すると合格率が高く見える理由として、USCPAの試験の特徴の1つである「自分で好きなタイミングで受験できる」という点が大きく関わってきます。

1年のうち、受験日が決まっており、その日に向かって勉強する日本の資格試験と異なり、USCPAは自分で受験場所、受験日を決定することが可能です。例えば、「仕事が忙しくない時期を選んで、受験会場は東京にしよう」と選ぶことができるのです。

これは受験生にとっては非常に便利なシステムです。自分が好きなタイミングで受験することが出来ますし、自分の学習が十分だと思ったタイミングで受験すれば落ちる危険性も少ないからです。

もう、お分かりになったでしょうか。そうです。USCPA試験は受験者が「ここまでやったら大丈夫!」というタイミングで皆が受験する試験なのです。つまり、記念受験で受ける人がほとんどいなく(1回の受験料もクソ高い)、さらに自信がある程度ついている状態の人が受験してくるため、必然的に合格率は高くなる試験と言えるのです。

逆に言うと、「ここまでやったなら大丈夫!」と気合を入れた人が受験しても合格率が40~60%しかないというのが事実なのかもしれません。

USCPAの難易度:合格者としての主観的な印象

続いて、USCPA受験を通して僕が感じた難易度について書いていきたいと思います。

全体的な総括

各科目の範囲や出題内容から僕が感じたUSCPAの難易度は以下の通りとなります。

主観的な難易度

「簿記1.5級レベルの4つの科目」を「全て英語」で「1年半以内に全て合格」を目指す試験

USCPA試験を振り返って、僕が感じた難易度はこのようなものでした。この条件を見た時に、感じた難易度があなたにとってのUSCPAの難易度となります。

ちなみに「簿記1.5級」とは、簿記2級より難しく、簿記1級より簡単なレベルということです。どうしてこんな書き方なのかというと、僕が簿記2級と1級を勉強したときに、USCPAの出題内容は大体これらの中間の難易度と感じたためです。

USCPAは「財務会計」「管理会計・ビジネス」「監査」「税法・商法」と異なる4つの分野に分かれているため表現が難しいですが、上記の条件について「いける」と思った人にとっては、十分合格可能な試験であると思います。

実際の試験を通して感じた各科目の難易度

USCPAは全部で4科目あるので、各科目に対して感じる難易度も人によって異なります。僕が受験を通して感じたUSCPAの各科目の難易度は「勉強開始前」と「受験後」では大きな差がありましたので、参考として僕が実際に感じた難易度について記載します。

科目勉強前
イメージ
受験後の感覚
FAR普通難しい
BEC普通普通
AUD難しい簡単
REG難しい難しすぎて吐きそう
各科目に対する僕の感じた難易度

表を見ていただければわかると思いますが、当初のイメージ通りだったのはBECだけで、残りの科目は勉強開始前と受験後の各科目に対する難易度の印象は全て異なっていました。

繰り返しになりますが、USCPAは「財務会計」「管理会計・ビジネス」「監査」「税法・商法」という異なる分野を4つも勉強するので、人によって得意不得意となる分野が異なり、それによって科目ごとに感じる難易度が違ってくることは当たり前とも言えます。

最後にメッセージ

僕個人としては、USCPAは難しい試験だと思います。1年間、平日は仕事以外の時間はほとんどUSCPAの勉強に充て、週末も1日中勉強して、何とか1年で全科目合格までたどり着くことが出来ましたが、「今からあの1年をもう一度出来るか」と言われると正直微妙です。

しかしながら、難しいからこそ、この資格に意味があるのだと思います。この資格がなければ、僕が監査法人に入社して、クライアントに偉そうにアドバイスなんて絶対に出来なかったのは間違いありません。簡単に取得できる資格であれば、他人と差別化を図ることはできないですからね。

色々と書いてきましたが、今回の情報が、少しでもUSCPA受験を考える人に役立てば幸いです。以上で、USCPAの難易度についてを終わりたいと思います。