米国公認会計士(USCPA)について、今回は4つの科目のうち、簡単な科目というものあるのかについて書いていきたいと思います。
簡単な科目について
僕は正直、人のバックグランドによっては簡単と思う科目は存在すると考えています。つまり人によって変わってしまうのですが、各科目について、それぞれ簡単(というか比較的理解しやすい)と思う人について書いていきたいと思います。
FARを簡単と思う人
まず大学などで会計を専攻してきた人はここは理解しやすい科目になると思います。これと同様に、簿記1級レベルまで勉強したことがある人は、あとは英語と問題文のニュアンスを覚えるだけでかなりの正答率まで引き上げることは可能だと思います。
ちなみに、僕が留学時代に経験した「財務会計基礎」と呼ばれるクラスのレベルとUSCPAのFARのレベルは大きな隔たりがありました。感覚的にいうと、「財務会計基礎」の講義は簿記3級レベル、USCPAのFARは簿記1級の商業簿記と会計学レベルになります。ただ、知識としては簿記1級レベルが必要なのですが、実際の試験では基本的な理解度を試す試験となっているので、重箱の隅をつつくような問題はあまりUSCPAでは出題されません。その点、USCPAの方が簡単だと僕は思います。
BECを簡単と思う人
大学などで経済学や経営学を勉強した人はある程度簡単と感じる科目だと思います。比較的ビジネスに関する広範な知識を持っている人は、あとは管理会計などに集中すれば十分だと思うかもしれません。僕も大学時代に経済学や経営学の勉強を自分でやっていたので、この分野についての新しい勉強はそこまで必要ではありませんでした。
また、簿記の1級や2級の工業簿記や原価計算まですでに勉強している人は、あとは英語でそれらの問題をこなす能力を身につければ、一気に正答率があがると思います。
AUDを簡単と思う人
これは監査に関わる人だと言いたいのですが、そのような人は日本では少数派だと思います。あえて言うのであれば、英語を「読む」能力が高い人はこの科目は少し楽かもしれません。AUDの問題文は独特の言い回しや表現が多いと言われており、英語の微妙な部分をくみ取る必要があるためです。
あと個人的には、監査プログラムの流れを具体的に想像できる人は有利に働くと感じました。僕は監査プログラムを割と具体的に感じることができて、どうしてこの作業をこのタイミングで行う必要があるのかという点をハッキリと理解しながら勉強を進めることが出来ました。問題文を読んでいる途中で「このステップでは○○が問題となり、解答には○○が来る」と瞬時に判断できるくらい監査の理解と英文の読み込みが出来れば、この科目は意外に簡単だと思います。
REGを簡単だと思う人
暗記や忍耐が得意な人は、この科目が割と簡単だと感じると思います。REGは暗記する項目が多く、税法の確定申告の方法から商法の内容まで暗記が必要となってきます。また、商学部で商法の勉強をした人や、税理士で各税法の勉強をしたことがある人はある程度理解が早いかもしれません。
ちなみに僕が一番苦手だったのはこのREGで、最後の科目だったのですが非常に苦しい思いをしました。様々な確定申告書や税務上の優遇処置などを覚える必要があり、さらに商法など交渉の優先順位など覚えることが膨大で、本当に疲れました。
まとめ
USCPAの各科目について、簡単な科目が存在するわけではなく、各科目に関係するバックグラウンドを持っている人にとっては、その科目が比較的簡単と感じることが多いようです。一般的な話としては、BECとAUDが比較的問題集が薄く、FARとREGの問題集が比較的分厚いつくりになっていました(僕が所有していたBISKの場合)。ちなみに僕のテストの点数を高い順に並べるとAUD>FAR>REG>BECとなりました。
簡単と思う科目について書いてきましたが、実際に勉強すると自分にとっての得意・不得意な分野が現れると思います。ですが、不得意な分野でもあきらめずにテキストと問題集を繰り返せば必ず合格レベルまで達することは可能なので、あきらめずに頑張ってください。
以上でUSCPAの簡単な科目についてを終わりたいと思います。