AUDとは
USCPA試験の科目の1つであるAudit and Attestation、いわゆるAUDを分析します。AUDは日本語では「監査及び証明業務」となります。出題範囲のメインは監査業務に関してですが、それに加えて他の証明業務や内部統制といった分野から、会計士としての倫理なども含まれています。会計や監査に携わらない人にとってはあまりなじみの無い分野になると思います。
試験の配点
AUDの配点は以下のようになっています。
- Ethics, Professional Responsibilities and General Principles:15–25%
- Assessing Risk and Developing a Planned Response:20–30%
- Performing Further Procedures and Obtaining Evidence:30–40%
- Forming Conclusions and Reporting:15–25%
1が会計士の倫理や責任についてで、残り2~3が監査手続きからの出題となっています。ただ会計士の倫理や責任も科目全体の約2割を占めるので、こちらも合格点を狙うにはきっちり勉強しておく必要があります(参考記事:捨てる分野について)。
AUD内容の詳細
AUDの出題内容をもう少し詳しく見ていきます。僕が使用していたUSCPAの問題集であるBISKから目次を持ってくると、以下のような分野で構成されています。
- Standards & Related Topics(監査基準と関係トピック)
- Planning(プランニング)
- Internal Control(内部統制)
- Evidence & Procedures(証拠と手続き)
- Audit Programs(監査プログラム)
- Audit Sampling(サンプリング)
- Auditing IT Systems(IT)
- Reports on Audited Financial Statements(報告書)
- Other Auditing Standards(その他監査基準)
- Other Types of Reports(その他報告書)
- Other Professional Services(その他プロフェッショナルサービス)
- Accountants’ Professional Responsibilities(会計士の倫理)
最後の12番のみ会計士の倫理の分野となっていて、他のすべてが監査と証明業務に含まれています。実は、監査は決まった手順で行われる業務になっており、上記の範囲はその各手順に沿った項目となっています。そのため、まずは監査がどのような手順で行われているのか、そしてそれはなぜなのかということをザックリと理解してから学習すると理解が楽になります。AUD対策としてよく言われるのは、実際の監査業務を想像しながら問題を解くことにより理解度が深まるというものですが、僕もこれは事実だと思います。経理部などではなく監査法人とのやり取りが無い部門に所属している人にとっては、キツい科目となるかもしれません。
問われる能力
AUDで問われる能力は、以下となります。
- Remembering and understanding(記憶及び理解):30-40%
- Application(応用):30-40%
- Analysis(分析):15-25%
- Evaluation(評価):5-15%
特筆すべきは4のEvaluationであり、この分野を問うのは4科目のうちAUDのみとなります。
試験時間
AUDの試験時間は4時間となり、非常に長い試験となります。普通にパソコンを4時間も凝視するのはしんどいですが、試験というプレッシャーの中でパソコンを4時間見続けるのは非常に苦痛なので、慣れていない人は集中力を維持するのが大変になります。可能であればスマホ等のUSCPA問題集アプリをダウンロードして、勉強段階から少しずつ電子機器による試験環境に慣れていきましょう。
出題形式
AUDは選択問題のテストレットとシミュレーションのテストレットで構成されています。問題数と配点は以下の通りとなります。
【選択問題】
36問×2テストレット:合計72問
配点:50%
【シミュレーション】
2~3問×3テストレット:合計8問
配点:50%
FARとREGとほとんど同じ構成になります。試験時間は4時間もありますが、選択問題1問につき2分も使用しているとシミュレーションに使える時間が半分程度になってしまうので、シミュレーション問題に時間をさけるようにするためには選択問題を素早く、かつ正確に解き続ける必要があります。平均して、選択問題1問につき90秒程度で正確に解答できるように練習問題の時点から意識しておいた方が良いでしょう。
問題集
僕が使用した問題集は以下となります。
様々なEditionがありますが、とりあえず1冊手に入れて何周も解きまくるのが合格への近道だと思います。別にBISKにこだわる必要はありません。どんな種類の問題集でもよいので、とにかく手に入れて何度も解きまくりましょう。
以上でAUDの科目分析を終わります。