シンガポール旅行記3
シンガポール旅行記その3になります。
急に思い立ったが吉日で無計画のまま出発したシンガポール旅行について、今回は3日目になる。徐々に悲しくなってくる以前の旅行記はこちら
相変わらずこの記事に関してはキャラが少し違うが気にしないでほしい。
シンガポール3日目
さて、前日は人がいないINSEADで悲しい思いをしたのだが、3日目は視察という堅苦しい名目をやめて、ただ有名な観光地を色々めぐろうとしていた。今思えば観光地巡りなど自分に似合わないことをしようとしたのが間違いだったのだと思う。
シンガポールと聞いてまず多数の人が思い浮かぶのが「マーライオン」だと思う。そう、シンガポールに来て数日たっていたのだが、僕はまだこのマーライオンを見ていなかった。「シンガポールまで来てマーライオンを見ないわけにはいかない」という謎の使命感を持って、出発することになる。昼頃には最寄り駅についたのだが、何より気温が熱い。歩くだけで汗だくになるのだ。必死になってマーライオンが存在するというマーライオンパーク(マーライオン公園)を目指す。
このマーライオンパークの目の前の交差点に来た時、僕はすでに嫌な予感がしていた。そう、既にマーライオンと思わしき白い頭部が見えるのである。
「あ、これしょぼいやつや」
僕は聞いたことがあった。マーライオンはガッカリする観光名所だと。しかしそれと共に、マーライオンは実は2体いて、1体は大きくて1体は大きいということも聞いたことがあった。今頭部が見えているのは小さい方で、見えないところに大きなマーライオンが隠れているのかもしれない、そう淡い期待を抱いて、交差点を渡った。
結論から言うとダメだった。
見えないところに隠れていたのはむしろ小さい方のマーライオンだったのだ。写真に写る女性とほぼ同じ大きさのマーライオンと、奥にほんのり大きいマーライオンが用意されていた。僕はこの時点で全てをあきらめ、マーライオンに近づくことにした。
小さいやつ。しょ、しょぼい・・・。
大きい方とシンガポールの街並み
マリーナベイサンズとマーライオン
NYの自由の女神を見たことがある僕としては、無駄に事前の期待値が高かったのかもしれない。しかし観光客の数は多く、皆頑張って自撮りしていた。
ここで、どこかのおばちゃんに「Do you travel alone? Please take a picture of me」と写真を撮るお願いをされた。親切な僕としては「Sure」と返事したのだが、ここからおばちゃんの撮影を何回もさせられた。もう汗だくである。この時点で汗だくになり疲労が出てきたので、少し涼しいところに避難しようと思い軽く移動した。すると
めっちゃ近くにツノが生えたゾウがいた。しかし、このゾウは全然人気が無いらしく、誰も写真も撮っていないし素通りされているのである。その不人気さで逆に僕はこのゾウが好きになった。ちなみに写真はないが正面から見ると目が結構怖い。
この時点で結構萎えていたのだが、このあたりは「シンガポール観光に重要な箇所が揃っており、歩いて大体見ることが出来る」とガイドブック「地球の歩き方」に書いてある。そこで気を取り直して、地球の歩き方に記載されている箇所を色々見てまわることにした。
突然だが、ラッフルズという人物はご存じだろうか。世界で初めての会社と呼ばれる東インド会社の職員であり、シンガポールの建設者と言われている。世界最大級の花で、ポケモンのキャラの一匹にもなっている「ラフレシア」の名前は、彼の名前が由来である。
そんなラッフルズの銅像が建っているということで、偉人が好きな僕はさっそく見に行くことにした。なんでもその銅像はヴィクトリア&コンサートホールという由緒正しい建物の目の前にあるらしく、ヨーロッパ調の建物も好きな僕はウキウキしていた。そして、遠くからその建物を目で確認できる距離まで近づいた。
これがヴィクトリア&コンサートホールである。建物自体は素晴らしいのだが、お分かりいただけるだろうか・・・。工事中なのである。良くみると、何かがつつまれている。僕は近づいてみることにした。
・・・。
そう、これがあの有名なラッフルズ像である。めっちゃ包まれている。どのような像なのか全然わからなかった。この時点で僕は「工事中で包まれたラッフルズを見れるとは逆に運がいいんじゃないか」とか逆転の発想を身につけるレベルにまで到達していた。この状態を活かした、何か記念的な写真を撮りたい。そう思って周囲を見渡した時に「ハッ」とあることに気付いた。
そう、あのマリーナベイサンズと共演させることにしたのだ。ここまでシュールな写真は今しか撮れない。既存のモノを組み合わせてイノベーションを起こすという現象は、シンガポールでも行うことができたのだ。
自分の撮った写真に満足した後に駅に戻り、遅めの昼食を取ることにした。東南アジアにいるのに「パクチー系の香草が苦手」という不利を背負った僕は、迷わずにサブウェイで食事をとることにした。やはり資本主義とはすばらしい世界だ。そして、サンドイッチをほおばりながら「地球の歩き方」をパラパラとめくり、次の目的地を探し始めた。
「ん?」
あるページで僕の手が止まる。「ナイトサファリ」である。このとき、日本にいる僕の友人が昔「シンガポールのナイトサファリは良かった」と言っていたのを思い出した。さらに、この日は僕を泊めてくれている友人が夜に飲み会ということで、その友人が帰るまでどこかで時間を潰す必要があった。このとき、
ナイトサファリは楽しい(友人談)し、夜遅くまで観光できる
↓
友人は本日、帰ってくるのが遅い
↓
ナイトサファリを堪能した後に帰ればOK
という図式が出来上がった。完璧だ。ここまではかなり無残な観光となっているが、ここから効率的に活動することで取り返すことは十分可能だった。この時点からナイトサファリを目指しても、開演の少し前には到着することが出来そうだ。さっそく、駅に飛び込み、最寄り駅まで行くことにする。
最寄駅の間近にあるバス停留所からさらにバスで45分程度で、ナイトサファリに到着した。
ちなみに写っている人々は僕とは何も関係が無い。人がいなくなってから写真を撮ろうと思ったが次々と記念撮影する人がいたのであきらめて彼らも含めて撮影することにした。ナイトサファリは凄い人気で、事前から期待値が跳ね上がることになる。
ゾウさんのオブジェ。こちらは先ほどのツノが生えているゾウさんと違い、観光客の撮影箇所として人気だった。がんばれ、ツノが生えたゾウさん。
さて、さっそくチケットを購入しようとしたのだが、ナイトサファリは日本人に非常に人気があるらしく、「日本語トラム」という日本語で解説してくれるトラム(観光バスのようなもの)を予約することができた。だが、ここはUSCPAである僕なので、チケット売り場の人に「日本語トラムも予約できるよ」と言われて「No, That’s OK, but thanks」と華麗に答えることにした。そう、「きっと英語でもわかるはず」と強がったのである。
その後、ナイトサファリが開園するまで地球の歩き方に書いてあったハンバーガーショップで利益がかなり上乗せさせられているであろうハンバーガーをほおばり、強そうな火を使ったパフォーマンスを楽しんだ。
火を使ったパフォーマンス。正直これが今回の旅行で一番すごかった。良い子はマネしないようにしよう。このように「開園までの時間稼ぎもしっかりとしたものを用意している」という事実により、僕はナイトサファリに凄く期待していた。「前座でこれなら、ナイトサファリは本当にすごいのではないか」と。そして、ついにトラムへと乗り込む列に並ぶことになる。
「君ひとり?じゃあこっちだよ」
と親切な飼育員?に誘導されてサクサク進めることが出来た。さらに都合が良い。そして、空いている1人枠のところへサクッと乗り込むことが出来たのだ。あまりにも良いことが続く。このとき僕は、物事を疑うというグローバル社会の常識を失っていたのかもしれない。
そして長時間待つことなくトラムが発信する。いよいよナイトサファリの始まりである。以下、いくつかの写真を上げる。僕が言いたいことは、それで伝われば良いと思う。
暗くて見えねぇ・・・
そう、暗くて良く見えないのである。肉眼であれば何とか確認はできるのだが、写真にすると一気に何の写真かわからなくなる。さらに先ほどの画像の僕が乗っている位置を確認してほしい。
そう、最後尾だ。本当に一番後ろの列に乗ることになった。これが、不運を生むことになる。トラムは基本的に動物たちがいるエリアの横にある道路を走ることになり、動物たちの隣についたときに一旦停止し、アナウンスをするという作業を繰り返すことになる。その一旦停止のときは以下のようになる。
そう、動物から一番遠いのだ。真ん中あたりの人が一番近くでアナウンスと動物を楽しめることになっている。もちろん写真も目の前で撮ることもできる(フラッシュは禁止)。ところが、僕の位置が動物の目の前に来るころにはすでにトラムは十分に加速しており、上記のフラミンゴのようなブレる写真となるのである。もはやナイトサファリの途中から僕の顔は
こんな状態だった。目の前を高速で通り過ぎる動物たち。暗くて見えにくい動物たち。僕が視力が良くないということも原因なのだが、これなら普通にお昼の動物園に行った方が良いのではないか。気が付けば「動物って固定資産だっけ?」と意味不明なことを考えるようになっていた。皆さんもシンガポールのナイトサファリに挑戦するときは、できる限りトラムの中心に乗れるように工夫してみてほしい。
この日は帰ってふて寝した。以上でシンガポール3日目を終わりたいと思う。次回は最終日。どうなる。
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