【書評】死ぬほど読書
今回読んだ本は、丹羽宇一朗氏による「死ぬほど読書」という本である。
僕は就職活動時代、総合商社であれば伊藤忠商事に入ってみたいと思っていた時期があり、実際に面接を受けたこともある(そして、数回目の面接で撃沈した)。丹羽氏はその伊藤忠商事の社長を務めていたこともあるし、民間から初の在中国大使となるなど割と輝かしい経歴をお持ちのお方である。書店でチラッとタイトルを見て気になり手に取ってみたのだが、そこで丹羽氏による著書だと知ることになった。
まず本の中身について、この本は、「なぜ、今本を読む必要があるのか」という問いに丁寧に自身の経験からくる考えをまとめたものになる。つまり、丹羽氏のこれまでの経験からくる本に対する考えを一通り知ることが出来る。何か所も著者の社会人自体の経験はちりばめられており、一流のビジネスマンがどのような行動をとってきたのかという軽い自伝のような箇所もある。
本を通して著者と対話することにより、これまで知らなかったことをまた一つ知ることが出来る。自分がいかに何も知らないのかを確認することが出来る。また、本を読むことにより自分の頭で考え、自分の軸を持って生きていくことが出来る。読書を通して本当の「知」に触れることにより、より深い人間になることが出来る。こういった、読書が持つ効用について様々な角度から記載されている。つまり、本好きな人が好むと、うんうん、そうですよね。と言いたくなるような内容が目白押しとなっている。
もちろん、僕もこの本に書いてあるような生き方を肯定したい。ほとんどのことがネットで知れる、という世の中でも、まだまだ本を読むことに価値はあるはずだと思っている。
本の内容とあまり関係ないが、この本を読むと、著者の柔らかな人間さが伝わってくる感じがするもの良い。もしかしたらビジネスの場面ではものすごく厳しい人間だったのかもしれないが、この本を読む限りでは、彼と共に仕事が出来た人は幸運だったのではないだろうか。いつか、こういう文章を書けるような人間になりたいものだ。
さて、この本を読み終えた後、すぐに本屋に行ってまた本を購入してしまった。本って良いですよね。