【書評】小さなチーム、大きな仕事
基本的に僕は「大企業に所属し、バリバリ働いて上を目指す」ことがやりたい日もあれば「小さな企業に所属し、しがらみなく自由に働く」ことがやりたい日の両方に揺れ動くタイプの人間です。両者に共通することは「自分のスキルを磨きながら働き、より良い暮らしを目指す」という点なのですが、今回紹介したい本は、後者の「小さな組織で大きな成果を目指す」タイプに向いている本だと思います。ただし、ベンチャーから大企業を作り上げよう、というタイプの本ではありません。この本は、37シグナルズという会社の創業者により書かれたものになります。
僕がこの本を初めて手に取ったのは、こう言ってはなんですが世界的に有名な日本の大企業で働いていた時でした。就職活動の時はそれこそ大企業から中小企業、そしてベンチャーまで色々見て回りましたが、最終的にはやはり周りと同じように大企業に入社したのです。なんだかんだ言っても大きな組織の方が良いだろう、みたいな考えだったと思います。
この本を読んでみて、これまで僕が何となく思っていたことがなかなか危険だということが身に染みてわかりました。というより「働くという点に関しては、僕が知っている世界とは全く別の世界がある」とはっきりとわからせてくれた本でした。
少しだけ、本の内容を整理して見ると、以下のような主張が行われています
- 小さいこと=悪いことではない
- やるべきことは、減らす
- 本当に必要なことに注力する
- 初めは小さく生み出し、周囲を巻き込んで成長させる
- 自分が好きなもの、欲しいものを作る
これ以外にも、自分たちの作る商品に合わなくなった人のために、自分たちを曲げる必要はないという観点が斬新でした。あれもこれもと詰め込むうちに、めちゃくちゃ使いにくいテレビのリモコンを生み出す日本企業とは対照的です。
この本を読むと、小さい企業の闘い方や心構えがわかると思います。巨大企業を作り上げようと思う人には向かないかもしれませんが、働く方法の、そして仕事のひとつの重要な側面を知るという点では読んでおいて全く損はありません。
起業、週末起業、ノマド、ワークライフバランスなどのキーワードに興味がある人は、一度手に取ってみてください。
仕事というものに対して、新しい何かを発見することができると思います。