【書評】小さなことでいいから、まずは一番になりなさい
小さなことでいいから、まずは一番になりなさい
著者:髙田稔
皆さんには自分の心に決めている行動指針のようなものはありますでしょうか。僕には一応ありまして、それがこの本のタイトルになっています。日ごろから心がけていたことがタイトルになっているこの本を偶然本屋でみつけて、すぐに購入して読んでみました。
本の内容を要約すると、どれだけ小さいことや、どれだけニッチなことでも、とにかく何でも良いので、とりあえずひたすら「一番」を狙い続けましょうということになると思います。和の精神を重んじるこの国では、少し珍しい主張になるかもしれません。徒競走で全員並んでゴールとかしている幼稚園や小学校には、絶対子供は入学させたくありませんね。
もう少し具体的に書いていきますと、初めは手っ取り早く自分の得意とすること、そして好きな分野(当然ですが、どんな小さなことで可)で「一番」を達成することによって、その分野で周囲の人々から認識・評価されることを目指します。その結果として、小さなことですが自信がつき、少しずつ成果が出始めて、成果が出るからこそ楽しくなってきて、次の小さな(でも少し大きな)挑戦に繋がる、そしてまた認識・評価されて、という正のサイクルに入りなさいということです。その正のサイクルを回し続けることによって、人がうらやむような大きな「一番」を達成することが出来るということでした。
また、上記のような「正のサイクル」を一度でも経験した人は、他のどんな分野でも一番になる方法を経験しているので、つまりどうすれば一番になるのかを体で理解しているので、様々な分野で一番になれる可能性があるという記載もあります。僕はこちらの意見にも賛成します。
当たり前ですが、「一番」になるということ自体に身構えてしまって、挑戦すらしないのであれば意味が無いので、最初に「一番」になるのはどれだけ小さなことでも問題ないと著者は言っています。
小さなことの例をあげると
- 社内で一番電話にでる
- 社内で一番アポ取りの電話をかける
- 社内で一番に書類を提出する
- 社内で一番に出社する
- カラオケで一番に歌う
- 社内で一番多くの人と挨拶する
などがあげられます。こういったことであれば、心構えを持つだけで誰でも挑戦できそうです。
そして、一番を目指す近道は、「自分の好きな分野」及び「得意な分野」を組み合わせることだと著者は主張しています。この理由として、もし一番になれたとしても、それを継続出来なければ、つまり好きなことでも特異なことでもなければ、続けることは難しいからです。以下のような具体例があげられていました。
<考えてみた>
これを自分に当てはめた場合、僕が好きなことと言えば本を読むことなので、
- 読書×会計(又は英語)=社内で一番会計や英語の本を読む
というイメージでしょうか。会計や英語という分類だと非常に大きいので、これを更に細分化して、会計の連結という分野や、投資に関する英語の本を社内で一番多く読む、とすると「一番」になりやすくなるかもしれません。ただ、これだとインプットのみになってしまい、あまり仕事に関係がありませんので、別のものを考えたいと思います。
上記の主張だけで本としては十分なのですが、それ以外にも、朝型人間になるべき、24時間以内に行動を起こせなど、ビジネス書でありがちな文章がちらほら記載されているという内容でした。
この「一番」作戦、現在の職場(監査法人)に移っても色々と試せる気がします。というか、割と大事なことなのにすでに忘れかけていました。この本にも書いてありますが、習慣とすること、つまり継続が何よりも大事ですね。