監査法人で出世する人のタイプ
監査法人で1年以上働いていると、どういう人が出世するのかということがおぼろげながら見えてきます。僕は幸運かどうかわかりませんが、様々な現場に行くことができた上に、現場を超えた人とのつながりも若干できたので、監査法人での時間を過ごせば過ごすほどどういう人が出世をしているのかがわかるようになりました。今回はその話を自分用にまとめるついでに書きたいと思います。
監査法人で出世する人のタイプ
僕が今まで見てきた上層部の人は、大体以下のタイプにわけることが出来ました。
1.コミュニケーション型(外部)
これは監査法人に限らずどこの企業でもそうですが、やはり外部の、監査法人で言うとクライアントの方々とのコミュニケーションがうまい人が出世しています。このコミュニケーションには
- 全く知らないことをさも数年前から知っていたかのようにすらすらしゃべる人
- クライアントの娘や父親のように家族ですか?みたいな状態になる人
- 用事もないのにクライアントの人から呼び出される人
などなど、人づきあいが非常にうまいことがあげられます。形は違いますが、クライアントの人から好かれており、それが所以にクライアントからの仕事の評価も高く、どんどん出世していくタイプです。中には同じクライアントに常駐し続け、10年もたてば担当していたクライアントの立場がえらくなり、仲が良いのでそのまま仕事を受注できるような人もいます。
2.知識型
こちらは監査法人に特有、もしくは事業会社と比べると多いと感じるタイプです。会計や内部統制など、担当している業務について尋常ではない知識を蓄えている人です。僕のイメージでは事業会社ではこのタイプの人は若干変人扱いされ、どんどん出世するというよりは独自のポジションに落ち着くことが多いと思います。監査法人ではこのタイプでもクライアントからの信頼を得ることができるので、知識の量が仕事の質につながり評価が高いことが多いです。どのような変人でもクライアントから仕事の質を信頼されると問題が起こりにくいのです。実際厳しすぎて内部の人を何度も辞職若しくは病院に送り込んだ人がパートナーになっていたりして驚きます。このタイプの人は
- クライアントから非常に崇められる
- 重要な会議の場に質問時の対応役として呼ばれる
- 新規提案を行う際に資料作成役となる
などの知識をふんだんに使った役割を担って出世していきます。このタイプは1のコミュニケーション型(外部)の次に多い印象です。
3.コミュニケーション型(内部)
意外に少ないのがこの法人内の人々と幅広く仲が良い人です。若干変わり者が多い監査法人の中でいろんな人とつながりがあると有利に働くと思うのですが、意外に出世という話になるとそこまでうまく機能しないのかもしれません。この能力も全くなくてよいというわけではなく、上記の1と2に秀でている人はこの能力もそこまで欠落していないということになります。
他にも細かく見れば様々なタイプに分けられると思いますが、大きく分けるとこの3タイプの人が出世している印象を受けました。ただ、この中のどれかのみに特化すればよいというわけではなく、どこかに重点がありながらも全体的にこれらの強みを備えている人が出世するというイメージです。
個人的に驚くのは2の知識型の存在でした。事業法人では知識を詰め込みまくる人は何となく出世ではなく専門家として一つの部門で活躍するという印象でしたが、監査法人ではどんどん出世していく人もいます。ただ、コミュニケーション能力があまりにも低い(声が本当に小さくてほとんど誰も聞き取れないような人もいます)人はやはり損をしていて、出世のスピードが緩やかになっています。それでも出世はしていくのですが。
もう少し長く監査法人に所属していると、また新しい発見があるのかもしれません。そのときには再度更新しておきます。