監査法人でマネージャーになるのに大事なこと
さて、今回は久しぶりに監査法人に関する記事を書こうと思うのですが、正直、日本の社会にどれくらい監査法人に興味がある人が存在するのか、と問われると非常に困るわけです。「全然いないでしょう」ということだけはわかるのですが、僕は1人でも興味がある人がいるのであればそれで良いかな、という気持ちです。
さらに、今回はただでさえ需要が少ない監査法人に関する記事の中でも、さらに狭い領域である「マネージャー」つまり管理職の第一歩になるために大事なことについて書いていこうと思います。
「おいおい、誰がそんなの知りたいんだよ」と思われる人もいるかもしれません。しかしながら、今後何年かしたら、USCPAの誰かが「どうしても監査法人でマネージャーになりたい!」と心の底から思う日が来ると思うのです。僕はその人のために今回の記事を書こうと思います。
ちなみに今回の内容は事実をそのまま書いているわけではありませんが、直接ヒアリングを通して確認した事項を自分なりにまとめて書いているため、少なくとも僕が所属する法人ではかなりの正確性を持った情報だと考えています。
マネージャーになるために大事なこと
さて、さっそく本題に入っていきたいと思います。監査法人においてマネージャーになる際に、非常に大事なことがあります。それは「マネージャーに昇進させたとして、その人がチャージするプロジェクトが存在しているのか」ということになります。専門用語が入ってきたので、ここで簡単に説明したいと思います。
チャージ
チャージについて簡単に説明します。監査法人に入所すると、基本的にどこかのプロジェクトにアサイン(そのプロジェクトメンバーとして確保されるということ)されることになります。例えば僕の場合、監査法人に入所して一番最初はメガバンクへのとある支援プロジェクトにアサインされました。そして仮に1日7時間そのプロジェクトで働いた場合、その日の作業を記録する必要があります。この「〇〇で〇時間働きました」という記録をつけることを「チャージ」すると言います。
先ほどの僕を例にすると、ローン分野の支援作業で7時間働いたとして、終業時に勤怠をつけるシステムに「〇〇銀行〇〇支援プロジェクト ローン分野」というコードに7時間の数字を入力するわけです。これで僕はメガバンクへのプロジェクトに7時間チャージをしたことになります。本来はプロジェクトごとに採番されたコードがあり、そのコードの中にも細分化されたコードがあるのですが、今回の内容とは関係ないのでここでは深く触れないでおきます。
つまり、チャージするということは、「その時間だけクライアントからお金を貰いますよ^^」ということになります。
これだけ見ると、普通にプロジェクトに入って働いていれば良いのではないかと思われるかもしれません。ある意味それは正しいのですが、いくつかの考慮すべき事項を考えておかなければなりません。それぞれについて説明します。
マネージャーの単価は高い
まず1つ目として、監査法人のマネージャーの単価が高いことがあげられます。そして単価が高いので年収も高くなるのですが、その分クライアントからお金を貰うことができる人間である必要があります。率直に言うと、マネージャーとしての単価をクライアントから「〇〇さんなら払いますよ」という人でなければマネージャーにはなれないわけです。逆に言うと、どれだけやばい人間でもクライアントからの信頼があればどんどん昇進していけるわけですね。監査法人にたまにいる、人間性が欠落しているけどもなぜかクライアントから好かれる人が昇進しているのはそういったところに理由があるわけです。
ちなみにですが、僕が下っ端のときに用意していた資料のなかで、マネージャークラスの1時間当たりにクライアントに請求する単価をみてギョッとしました。よくこんなお金払えるなぁと感心していたのですが、もちろんクライアントとしても使えない人は不要なわけです。これまで一番きつかったのは、会議で直属の上司(マネージャー)がクライアントから「君いつまでやってるの?厳しいこと言うけど失格だし、他の人と交代したら?」と詰められる場面に居合わせたことです。この業界はクライアントからの要望に応えられないと難しいんだなぁと感心しました。まぁ思いっきりコンプライアンス違反だと思いますけどね。監査部門ではそこまでのことは言われないかもしれませんが、アドバイザリー部門は喜んでもらえてなんぼの世界ですからね。
クライアントの業績に左右される
こちらは自分の力では何ともできないところですが、クライアントも普通の組織のため、業績が悪くなり外部組織に払うお金に余裕がなくなることがあります。これまでは普通にアドバイザリー業務を提供していたのに、業績が悪化すると「もう少し金額を安くしてくれ」「この分野は自分たちでやるからもう君たちは必要ない」ということがあり得るわけです。
僕が知っている例でいうと、会計のアドバイザリーで日本基準と米国基準の両方でアドバイザリー契約を結んでいたのですが、突然「今年から日本基準は契約しないっす^^」と業務範囲の半分を打ち切られたプロジェクトがあります。報酬も一気に下がったので、そのプロジェクトにアサインされる人が半数以下になってしまいました。あそこにチャージしていたマネージャーも、次のチャージ先を探すために割と苦労していると思います。
つまり、このようなプロジェクトにマネージャー昇進がかかっている年度にアサインされていると大変な目に会うわけです。昇進するかどうかはの上層部の人々の会議で決められるのですが、その中で「この人をマネージャーに上げたとして、あのプロジェクトは報酬が半分になったからチャージできないでしょ」という感じで、自分は悪くないのにマネージャー昇進にブレーキがかけられることになります。逆に言うと、どんなポンコツでもお金払いが良いクライアントのプロジェクトに入っていると、マネージャー昇進に有利に働きます。
つまり、監査法人でマネージャーにあがるためには、まず何よりもチャージができるプロジェクトに居続けること、そしてそのプロジェクトのクライアントの業績がうまくいっていることが非常に大事になるわけです。素早くマネージャーになりたい人は「ここだ!」というプロジェクトにアサインされたら、必死にしがみついてクライアントから「〇〇さん良いね」と言われるようになりましょう。
ワシントン州CPEライセンスの変更についてご質問よろしいでしょうか。(BOAワシントンの延長申請に関する条項の解釈について)
変更点3:CPE延期申請の理由を拡大
私2020年8月にワシントン州ライセンスを取得いたしました。
2020〜2022年で120単位に加えて、2020, 2021, 2022年の各年に20単位必要だと思います。
しかしライセンス取得した2020年に20単位を失念しており、単位獲得しておりませんでした。
この延長申請を用いて2023年1〜6月の間に更新手続きを行えば、2020年20単位取得していないのは問題ない認識です。
ご質問:以下文章の2行目は過去20単位に関しても遡及されると読み取りました。ただ (for reporting period 2019-2021)というのは、2019年取得者向けの文章で、何かこの一文に意味があるのかわかりませんでした。
この延長申請について、追加で情報ありましたらご教示いただけますと幸いです。
突然のコメント申し訳ありません。よろしくお願い申し上げます。
以下、BOAワシントンNot Enough CPE to Renew – CPE Extension Requestsから引用
Request a CPE Extension if:
You did not complete your required CPE by the end of your CPE reporting period (December 31 the year prior to your renewal year).
You did not meet your 20-hour minimum annual CPE requirement in either 2020 or 2021 (for reporting period 2019-2021)
みーすさん
BOAの「Not Enough CPE to Renew – CPE Extension Requests」を見直したところ、ミニマム20単位の取得ができなかった場合でも、延長申請を用いて更新手続きをすれば良いようにも見受けられます。
しかしながら、CPE要件に関する原文「WAC 4-30-134」の該当箇所には、ミニマム20単位にも延長申請が適用できるとは厳密に記載されているわけではないため、もし不安であれば直接BOAに確認するのが無難だと思います。
来年になるとライセンス更新を実施するため、その時に表示される画面等でまたわかることがあったら記事にしますね。
※該当原文は以下になると思われます。ミニマム20単位のCPE要件も(a)に含まれると解釈することもできますが。。。
(3) Extension requests for renewal.
(a) If an individual has failed to complete the required CPE as defined in WAC 4-30-134 by December 31st of the last year of their three-year CPE reporting period, the individual must notify the board prior to their expiration date to request an extension of time to complete their CPE requirement by their expiration date.
(b) Credits earned during the interim period between January 1st and June 30th of the individual’s renewal year that are used to meet the prior reporting period’s CPE requirement will be carried back to the CPE reporting period ended December 31st. These credits cannot be counted towards the requirement for the individual’s current CPE reporting period.
(c) An individual is allowed only one CPE extension in any two consecutive CPE reporting periods (six year period).