未経験から監査法人へ転職するステップ
今回は、未経験者でも監査法人に何としても転職したい人に向けて記事を書いていきます。僕も気が付いたら監査法人歴がかなり長くなってきて、複数のプロジェクトに参加する中で、新しく入ってくる人、そして出ていく人を何人も見てきました。そして運よく人事担当の人と仲が良いということもあり、ある種の内部事情にも触れる機会が多かったです。それを踏まえて、未経験から監査法人へ転職するためにはこうすれば良いというものがおぼろげながら見えてきた(進次郎)ので、そちらを紹介したいと思います。
監査法人って給料良いんでしょ?できれば転職したいんだけど、今の仕事は営業だし完全に未経験なんだよね・・・。どうにかして転職できる方法ないかな?
結論から言うと、完全に未経験、例えば営業職として働きながらUSCPAを取得したとしても、そのまま未経験として監査法人に転職できるかと言われると、厳しいと言わざるを得ません。
では、未経験の状態から監査法人へ転職したい人はどうすれば良いのでしょうか。こうすれば確実に転職できる、という方法はないのですが、方向性としては「監査法人での業務と自分のキャリアとの間に、なんらかの接点を得るステップを踏むこと」がおすすめです。その接点は、大きく分けて「業務」と「業界」の2つの観点があります。
業務の観点
まずは、自分の業務を少しでも監査法人での業務と接点があるように仕向けます。具体的には経理部、内部監査部、税務部などが挙げられますが、特に経理部の機能は基本的に全部外注をしていない限りどの会社にも存在しています。ここを最初のステップとして目指します。USCPAや簿記を取得していたら高い確率で未経験でも転職できると思います。どの会社も管理部門はやること多いくせに人員不足ですからね・・・。もちろん自社内での公募制度を利用して部門間で異動しても問題ありません。これらの部門で2~3年、少なくとも1年くらい実務経験を積めば、もう立派な経験者となります。
そして監査法人と接点がある部門での経験を踏まえて、監査法人への転職を目指します。監査法人に所属している人は基本的に事業会社での実務経験はありませんので、そのような応募者は実務経験あり+監査法人に興味があるため全くの異分野から少しでも監査法人に接点がある部門へ移動した熱意のある応募者にみえるのです。
業界の観点
公認会計士は基本的に資格を取得してから最初に監査法人に入所するので、一般的な事業会社での実務経験というものがありません。そのため、実務経験に基づく話が出来る人はかなり貴重となります。そのため、その業界で働いている人が転職してくることがたまにあります。僕はこれまでクライアントとして働いていた人が自分が所属している監査法人に転職してきて若干気まずい思いをしたことが何度かあります。
資格については勉強中という身分で、そのクライアントとのリレーションを強くするであったり、知見を活かしてもらうという理由であったりしますが、とにかくうまく監査法人に転職できていることは確かです。
つまり、監査法人へ転職するときには自分が所属している業界に対してアドバイザリー業務を実施している部門へ応募すると内定が出る確率が上がります。ただこれには監査法人側が出す求人と自分が所属している業界が一致している必要があるので、ほぼ運であるため自分の力では何ともできないのであくまで補助的な要素になります。
そのため、上記の2つのポイントを利用し、監査法人と接点がある業務に転職または自社内で異動し、監査法人が支援している業界に属している場合、転職できる可能性がグッと高まります。
最後に
このように、未経験から監査法人に転職したい場合、まずはある程度接点がある業務を実施している部門へ転職または異動し、自分が所属している業界の支援をしている監査法人の部門の求人を狙うことが重要になります。
もちろん上記ステップを踏むと転職できる確率が上がりますが、まずはいきなり応募してみるというのも非常に大事です。景気が良かったり監査法人側が急遽メンバーが欲しい場合は、未経験であろうとサクッと内定が出る場合があります。そのあたりは完全に時の運なので、まずはとにかく応募してみることが大事です。
そしてとりあえず応募してダメだった場合、次の機会に備えて上記のステップを踏むことをおすすめします。まずは少しでも接点のある部門へ移り、接点がある経験を積むわけです。そしてある程度の期間が経てば、また応募すればOKです。「そんなことしてもバレるんじゃないか」と不安になるかもしれませんが、まずバレません。ちなみに僕も同じ監査法人へ2年期間を空けて2回応募していますが、僕は面接官の顔を覚えていましたが、向こうは僕のことを全く覚えていませんでした。
今回の話について、大前提として監査部門ではなく、監査部門以外の部門(アドバイザリー部門と呼ばれたりします)への転職の話になります。監査部門へはやはり日本の会計士がそのまま入るケースが圧倒的に多いので、転職者として監査法人に入るにはアドバイザリー部門を攻める方が上手くいく確率は高くなるのでおすすめです。
おまけ
監査法人での業務はイメージすることが難しく、何かすごいことをやっているんじゃないかと思われるかもしれませんがそんなことはありません。当然プロジェクトによってやることは変わりますが、作業ベースに落とし込むと結局ワード、エクセル、パワーポイントが大半を占めます。本当に転職したいなら恐れずにまず気軽に応募してみてはいかがでしょうか。