ユダヤ人大富豪の教え
今回紹介する本は、本田健さんによる著書「ユダヤ人大富豪の教え」です。正直、この本は紹介するかどうか迷いました。理由としては、読んだ人が「お金持ちになるのは簡単だ」と勘違いしてしまう可能性があるためです。この点については後述します。ただ、個人の感想としては自己啓発本の中では突出して親しみやすく、内容も良く考えられていると思います。また、実話に基づいている話である(全てではない)ということもポイントが高いです。
さて、この本の書評に入る前に、事実だけお伝えしますと、この本は僕が人生で初めて意図的に「2冊目」を購入した本になります。1冊目は実家にあるのですが、最近どうしてもまた読みたくなったので、仕事帰りに購入しました。そして、この本を読むのはこれで人生6回目になります。ここまで読み込んだ本は会計分野で1冊あるのですが、自己啓発系ではこの本だけになります。実は1~4回目は大学生時代に、そして5回目は新社会人時代に読んだのですが、「今読むと、どう思うのだろう」と思って読んだという経緯になります。
本の構成としては、著者である20代の若者である「ケン」がユダヤ人大富豪である「ゲラーさん」にどのようにお金持ちになったのか教えを乞い、ゲラーさんが人生から得た教訓(つまり、ユダヤ人大富豪の教えですね)をケンに伝えるものとなっています。一般的な自己啓発の本とは異なり、小説風になっているため非常に読みやすく、文章を読むのが苦手な人でもあっという間に読みえることが出来ると思います。
この本を読むことによって、どうすれば幸せなお金持ちになることができるのか、そうとは言わなくても、どうすれば幸せな人生を歩むことが出来るのかのヒントを「知る」ことが出来ます。ただ注意しなければならないのは、そのような人生を歩むためには、「現状を変える」という「行動」が必要になってきます。ほとんどの人は「行動」を続けることが出来ないので、どうすれば幸せな人生を歩むかを知っているけど、行動に移せないために何も変化しない日常を歩むことになります。このポイントは大事なのでもう一度言いますが、この本を読むからには少しでも「行動」して人生に変化を起こす必要があります。そうしないと、「行動していない自分」と対峙する毎日となり、どうすれば幸せになるか知っていながら行動できない自分を責めることになりかねません。この点も、この本をおすすめとしながらも紹介するのを躊躇していた理由になります。
実をいうと、今回読み終えた後に、僕は少し凹みました。ここまでの内容を大学時代に何回も読んでおきながら、自分はこれまで何をしてきたのだろうかという気持ちが若干芽生えてしまったためです。もちろんUSCPAに向かって全力で走ってきたという自負はあるのですが。ちなみにこの本では弁護士や会計士などの資格持ちも「不自由人」というくくりにされています(笑)。ただ、この時点でどうして自分はUSCPAを目指したのかというポイントを振り返る良い機会になりました。
人生を変えた本はあるか、と聞かれたら、僕は「ある」と即答できます。そして、人生を変えてくれた本は数冊あるのですが、この本は間違いなくその中に入ります。ちなみに、大学時代にこの本を友人に紹介したらボロ泣きしてました。お金のことを扱っている本なのですが、内容は全く汚くなく、お金に対してネガティブな感情を持っている人は必読です。