一橋MBA優秀論文発表会と説明会に参加しました
最近、MBAに行くべきか迷っています。いくつかの説明会などには参加しているので、その備忘録です。
一橋MBAの優秀論文発表会兼説明会
2015年3月のことになると思いますが、一橋大学MBA(国際企業戦略研究科)の優秀論文発表会兼説明会に参加してきました。大学院ではどのような論文が優秀と評されているのか知りたかったということと、国立の大学はどのような雰囲気を持っているのかを感じたかったためです。結論としては、参加して良かったと感じています。
今回は自分への備忘録もかねて、発表会と説明会について書いていきたいと思います。
優秀論文発表会
【会場状況】
会場に関しては、東京の神保町駅の近くにある、一橋大学の学術総合センターにて2つの部屋で行われました。1つの部屋は金融工学のモデル分析など数学の知識が必要なタイプの発表が行われ、もう1つの部屋ではコーポレートファイナンスなどの会計寄りな内容を発表していました。僕は当然ながらコーポレートファイナンスの方の発表会に顔を出しました。
この発表会は平日の夜に開催されたので、人はほとんどいないだろうと思っていたのですが、意外にも(失礼)40名弱の人が参加していました(金融工学の方の部屋については不明です)。参加者の年齢層は見た目で判断するだけでもバラバラで、20~50代の人がまんべんなくいるという感じでした。男女比率は男性が7割強で女性が3割弱程度で、男性の方が多い印象を受けました。
【論文について】
優秀論文として発表を行っていたのは3名の方でした。それぞれ3つの論文の内容については詳しく述べることはしませんが、それぞれをじっくり聞いてみると、型のようなものに沿って書かれてあることに気が付きました。
- 表題
- 仮説の設定
- 先行研究について
- 論文中に使用する言葉の定義など
- 使用するデータやサンプリング対象の説明
- 分析に使用した手法の説明
- 仮説の検証と分析
- 追加の検証と分析(必要に応じて)
- 検証の結果
- まとめ・考察
若干の違いはあるものの、3人ともこれらを軸に論文を組み立てて、仮説の検証を行うことにより得られた結果をもとに、社会を分析することに成功していました。どうやらこの型をもとに研究計画などを考えると、応募書類にも効果があるのではと感じました。
【感想】
論文の構成や書き方などがあまり詳しくなかった僕にとっては、優秀論文の共通項を見つけることが出来た点で非常に有意義な時間を過ごすことが出来ました。また、経歴は普通のサラリーマンと思われる方が一生懸命にプレゼンしているところを見て、久しぶりにみっちりと勉強したくなりました。
また、各論文の発表者がそれぞれ、しっかりとした分析手法をもとに論文を構築していたことに驚きました。あのような統計的な手法は僕が苦手とするところなので、いずれしっかりとできるようになりたいと感じました。
そして、発表者が使用する会計言語についてはばっちりと理解することが出来たので、あらためて会計力はビジネスにおいて重要だということを確認することが出来ました。ファイナンスと言えども、会計の知識が無いと論文を進めることも出来ない可能性があるので、そこの箇所でのビハインドはないことがわかりました。
大学院説明会
【説明会状況】
優秀論文発表会のあと、一橋MBAの簡単な説明会が行われました。こちらも参加者は40名弱でした。参加者の年齢層は見た感じ発表会のときと同じ20~50代のような人がまんべんなくいるという感じでしたが、あえて言うのであれば30代に見える人が一番多い印象でした。男女比率も発表会と変わらずに男性7割強で女性が3割弱といった感じでした。
【説明会の感想】
説明会に参加してみたのですが、このMBAは早稲田のMBA(ファイナンス)と比べるとわかりやすいと感じました。僕は過去に早稲田のファイナンスMBAの説明会にも参加したことがあるのですが、その際に感じたことと比較して感想を書いてみます。
・理論と実践について
両校が抱える教授陣のバックグラウンドを比較した場合、理論と実践の比率でみると一橋が理論、早稲田が実践に重点を置いた状態となっています。両校とも「理論と実践のバランス」ということを推していますが、一橋が理論よりで早稲田が実践よりなのは教授陣から読み取ることが出来ます。一橋は「グランド・フレームワーク」という言葉を使い、コアな金融理論を俯瞰的に学べる環境と広報しています。
・教授と学生の比率
一橋大学は定員が約40名となっており、それに対する教授陣は9名となっています。これにより、1人の教授に対して5~8名の生徒という比率になると説明されていました。この教授との近さは大きなメリットだと思います。逆に、早稲田の方は生徒の定員が100名を超えるものとなっており、一橋のような距離で教授と関係を築くことは難しいかもしれません。ただ、ゼミのような形ではなく、大講義のようなスタイルが好きな人は早稲田が合っているかもしれません。
・修士論文
一橋MBAは卒業するにあたって、論文の提出が必須となっているようです。この自分で決めたテーマに向かって勉強を進め、教授との連携がうまくいけば非常に価値のある時間を過ごすことができるかもしれません。たしか、早稲田MBAの方は論文の提出が必須ではなかったと思います。ここも、論文が自分にとって必要がそうでないかによって意見が分かれるところだと思います。
・計量分析
一橋大学はここを推していますが、確かに優秀論文に使用されていた分析手法は僕の知らない世界でした。今まであまり得意ではなかったので触れてこなかったのですが、統計手法によって世界を分析する能力を身につけるのもありだと感じました。この分野においては早稲田の情報は不明です。
・雰囲気
雰囲気を比較するのは難しいと思いますが、やはり一橋は国立のイメージ、早稲田は私立のイメージでした。僕の大学は私立大学だったので、早稲田の説明会に参加したときは、「大学の感じ」が懐かしかったのですが、一橋のほうは新鮮な感じがしました。ただ、ここに関しては比較できるものではないと思っています。
・費用
ここは大きく違いがでるところだと思います。やはり国立大学である一橋の学費は非常に安くなっています。早稲田と総額を比べると倍以上の差額となっています。社会人になってから、お金を貯めるのがいかに難しいかを身をもって知ってしまったので、ここの部分は重要な要素になると思います。
まとめ
以上で、一橋MBAの優秀論文発表会兼説明会に参加してきた備忘録を終わりたいと思います。発表会の方では、論文の基礎的な型を知ることが出来たし、統計手法という自分に足りないものを再確認することが出来ました。MBAとしては、コアな金融理論を教授とみっちり勉強して、論文を提出するという学問よりなのが一橋、講義スタイルで自分が興味ある分野を学び、実務に近い教授陣から学べる方が早稲田という印象を受けました。