アドバイザリー部門でよかったこと

さて、今回はアドバイザリー部門で働いていてよかったと思うことを2点あげていきたいと思います。これからアドバイザリー部門に行きたい人や、アドバイザリー部門に興味がある人は参考にしてみてください。

強制的な成長が見込める(ある程度)

いきなり不穏なタイトルで背筋が寒くなりますねぇ(白目)。ただ冗談抜きでこれは本気で思ってまして、個人的にアドバイザリー部門で働くことによって得られる大きなメリットの一つが「強制的な成長促進」だと考えています。どういうことかと言いますと、アドバイザリー部門とはつまるところ困っているクライアントに何らかの価値を提供するお仕事が基本というわけです。つまり、アドバイザリー部門に所属して生き残るためにはクライアントより何らかの面で優れている必要があるわけです。率直に言って、自分としては困っているからお金を払ってまで助けを求めているのに、自分より明らかに出来なさそうな人にアドバイスとかされたらイライラしますからね。僕だって何も知らなさそうな人にコンサルされたら汚物を見る目つきをしてしまうかもしれません。

アドバイザリー部門に所属している以上、クライアントに何かしらの価値を提供する必要があるのですが、ここで大きな問題にぶち当たることになります。というのもクライアントは実務に精通しているので、普通に考えて実務面での業務知識等では太刀打ちできないわけです。この辺りの知識を本などで仕入れる必要があるのは当然なのですが、その知識を武器として付け焼刃で対応すると「実務上はそうなっていないんですよねぇ(クソでか溜息)」という返り討ちに合うので、基本的にはクライアントが持っていないような専門知識、他社事例、語学力という別の分野で勝負することになります。

余談になりますが長期プロジェクトとかになると、クライアントより業務知識に精通している異常なアドバイザーもたまにいます。ここまでくると逆にクライアントの従業員から業務に関する質問とかを涼しい顔をして受け答えしていて「え?立場反対じゃない?」と思うのですが、当の本人に聞いてみると「もはや自分がどこの社員かわからないんだよね」とアイデンティティを失いかけていました。

さて、話を戻しますと、業務知識で戦わずに専門知識で戦うためには、クライアントに価値を提供できるようなレベルまで専門知識を高める必要があります。さらにその専門領域もずっと同じということはなく、日々の動向を把握して常にキャッチアップしておく必要があります。つまり、日々勉強を続けてクライアントよりその分野では優秀であり続ける必要があるのです。これは放っておいたらすぐサボってしまう自分にはありがたいシステム(!?)であり、アドバイザリー部門に所属していなければここまで勉強を続けられなかったと思うので助かっています。また、専門知識を使用してクライアントへサービスを提供するということは通常の会社では中々得ることができない経験であり、自動的に専門知識+経験で市場価値が高い人材になりやすいのは非常にありがたいです。

たまに厄介なことにクライアントの中にも専門知識分野にやけに詳しいマニア的な人がいる場合があるのですが、そういう人とやり取りするときは「なんでそんなことまで知ってるんですか、もはやうちに転職してくださいよ」というコミュニケーションを取っておけばOKです。

ということでアドバイザリー部門に所属していてよかったことの一つ目として、強制的な成長システムの中にいられるということが挙げられます。

様々なクライアントと働くことが出来る

アドバイザリー部門に所属していてよかったと思うことの2点目は、様々なクライアントと働くことが出来るということです。1つ目の理由も個人的にはありがたいのですが、僕としてはこちらが本命になります。

アドバイザリー部門に所属していると、大きな案件にべったり張り付きが続くということではない限り、様々なクライアントと共に働くことになります。これはアドバイザリー部門が案件ベースで仕事を実施しているからです。例えばですが、僕は過去以下のような案件に携わってきました。

  • メガバンクに対するIFRS開示支援
  • ノンバンクに対するJ-SOX導入支援
  • 製造業に対する業務効率化支援
  • 製造業に対するサステナビリティ開示支援

他にも数えきれないほどあるのですが、このように様々な業界に対して様々な支援を実施してきました。最近は内部統制に絞ったキャリアを構築しようとしているのですが、Noと言えない性分がありまだキャリアがキッチリ固まっていないのが現状です。

ただ、上記のように様々なクライアントと様々な業務を経験することができたのは自分にとって本当に幸運でした。というのも自分は「一つの場所に居続けることが難しい」性格をしているからです。端的に言うと、飽きっぽいわけです。なので、監査法人に転職するまでは何度か転職を経験しています。監査法人に転職できた後もすぐに辞めることになるのではと不安だったのですが、上記のようなシステムのおかげで本当に助かりました。というのもプロジェクトが変わるということは、相対するお客さんも変わりますし、社内のメンバーも基本的には変わることになります。つまり疑似的に転職するようなものなのです。これは飽きっぽい自分には本当にありがたいシステムであり、常に新鮮な気持ちで働くことが出来ています。

もちろん逆を言えば、一つの企業に対して知り尽くしていくということがなかなか難しい環境にあるとも言えます。そのため、どちらかというと1つの企業の全体感を把握して舵取りしていきたいタイプの人には向いていないのだと思います。退職する人の理由が「1社のことをもっと知っていきたいと思った」という人を何人も知っています。

ちなみにですが、専門分野について変更する必要はありません。僕は専門分野について何度か変更してきましたが、「自分はこの分野を突き詰めていきたい」と考える人はその分野に関するプロジェクトのみに関わることも可能です(基本的には)。その場合はさらに複数のクライアントに同じ領域の支援をすることになるので、多角的な視野も手に入る上に「他社事例」という強力な知見も得ることが出来ます。これは普通の会社にいるだけでは絶対に手に入らないものなので、差別化にもつなげることが出来ます。正直ここが主な価値なんじゃないかと思うこともあります。他社ではどうやっていますか、という質問がめちゃくちゃ多いです。

ということで今回はアドバイザリー部門で働いていてよかったと思うことを書いてきました。気づけばかなり長い期間転職せずに働いてきたことになりますが、アドバイザリー部門とはつくづく良く出来ている仕組み(?)だなぁと感心します。今のところは特に不満もなく転職するつもりはありませんので、自分にとっては向いている業種だったのかもしれません。

ではでは。

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