アドバイバリー部門が今後どうなるか心配です
タイトルの通りなのですが、私は今、監査法人のアドバイザリー部門が今後どうなるか割と本気で心配しています。世間の空気や新しく入ってくる人のスタンスを見ていると、これからの社会で生き残っていけるか疑問に思うところがあるのです。
※今回の記事は老害度数100%ですので、気になる方はブラウザバック推奨です。
キッカケはこの前にビルのエレベーターで一緒に入ってきた若い(新卒かな?)人たちの会話でした。まずそもそもエレベーター内でデカい声で話してる時点で人間としてどうなの、というのは置いておいて、その会話が「”ライフワークバランス”か”ワークライフバランス”のどっちが正しいか」というどうでも良さギネス級だったのですが、ライフの方が大事だから今はライフワークバランスの方が正しい、というクソ無駄な結論に至っていました。
「仮に一緒に乗っている私が重要なクライアントだった場合、この会話が耳に入ることによってどう思われるのか」という小学生でも思いつきそうな当然の懸念にたどり着いていない時点で結構ヤバいのですが、きっと社会人経験のない新卒採用の子たちだったのでしょう。そう考えないとやってられません。
この出来事はこの記事を書こうと思ったキッカケでしかないのですが、数年前からアドバイザリー部門に入ってくるメンバーの”質”とでもいえばよいのでしょうか、が下がってきている気がします。「そういう時代」と言われれば私としても「それはわかっています」という回答をするしかないのですが、それにしてもちょっと厳しいんですよね。少しだけどのような人が増えてきているか書いていきます。
自分を磨かない
私の意見としては、アドバイザリー部門に所属しているからには、自らの知見でクライアントに価値を提供できる人材であるべきと思っています。そして、その領域にまで行くためには業務終了後や休日に専門分野やクライアントの業界など、業務に必要な知識は自分で得るための努力が必要だと思っています。もちろん、自分でもアドバイザリー部門に食らいつくために必死こいて勉強してきましたし、ついていけない場合は辞めるしかないと考えていました。つまり、そういう生き方がしたくないのであれば無理にアドバイザリー部門に来る必要はないというわけです。
ただ、どうやら近年入社する人はあまり自分で勉強していないようなのです。もしくは勉強するにしても業務時間内でやりたいであったり、社内の研修で何とかしたいということのようです。冒頭の会話にもあったライフワークバランスが重要らしく、業務時間以外は自分の都合を最優先させるというスタンスの若手と出会う機会が増えました。
業務に全力な時間が取れない
こちらは誤解を招きかねない文章なのですが、最近の若手は定時ごろに業務を終了することを当然のようにしています。もちろん全く問題ないのですが、他のメンバーが残って作業していたり、まだこちらが依頼している業務が終わっていない場合でも連絡なしで平気で帰ったりします。もちろんそこまで強烈なメンバーは少ないのですが、0ではないのです。
ただ、これには仕組みが悪い部分もあるのは理解しています。現在はコンプライアンスが非常に重要視されているので、長時間労働や休日出勤が出来ない環境になっています。気合を入れて長時間勤務や休日出勤をしようと思っても、その状況をモニタリングされて長時間労働をしている人リストに名前が載ってしまい、直接連絡が来るようになっています。なので、割と本気で業務に取り組もうと思っても仕組みに阻まれてしまうわけです。
とはいえちゃんと責任感を持って業務に取り組む人と、とにかく業務時間内で言われたことだけをやる人の差がすごいことになっています。これも繰り返しになりますが、アドバイザリー部門に来ようと思ったのであれば業務を通して何かしらの成長をしたいと考え、前向きに取り組んでほしいんですよね。
最後に
重ねて言いますが私は現在の上記のような風潮は理解しています。自分の部下に「業務外で勉強して」「残業して」とお願いしたことは一度もありません。ただ、このような人材が増えていったアドバイザリー部門に、クライアントが高いお金を払って仕事を依頼したいと私には思えないのです。クライアントの代わりに勉強し、クライアントより気合入れて働く、なので高い給料をもらいます。それが無理になったら、経験を活かして事業会社に転職。そのように考えていたのですが、私の発想がもはや古代の遺物なのかもしれませんね。気づいたら老害ムーブの先頭を走っているのかもしれません。
なので、現在のアドバイザリー部門は普通に定時で帰ろうと思ってもそこまで変な目で見られないし、滅多に休日出勤になるようなこともないし、誰もハラスメントを恐れて強く指摘してきたりすることはありません。私が転職してきたときと比べると超絶ホワイト企業になっております。そこは良かったかな。