監査法人のマネージャーになってわかったこと

私がこのブログの前身である、ひたすら勉強の記録を取り続けたブログ(もはやブログ名も忘れてしまいましたが)を始めてからとんでもない月日が流れました。当時はUSCPAに関する情報なんてほぼ無いに等しく、どのくらい勉強すればUSCPAの全科目合格が出来るかなんて検討もつきませんでした。そのため、私の後に続く人に少しでも有益な情報を残せたらと考えて始めたのですが、今は当時と試験形式も変更となり、月日の流れを感じています。

その後、当時はUSCPAでは転職するのが難しいと言われていた監査法人に何とか転職することが出来て(基本は日本の会計士のみが行く会社でした)、さらにそこから一区切りである「マネージャー」という職階まで上がることが出来ました。いわゆる管理職の下っ端ですね。そこからある程度時間が経って、自分がマネージャーとして慣れてきたので、マネージャーまで昇進して判明・経験したことを振り返りつつ、わかり切ったとこまで含めて記録しておこうと思います。

監査法人でマネージャーになるとはどんな感じなのかを気になる人の参考になればと思います。そんな人いる?

内部業務が増える

まず最初に、これまであまり関わってこなかった内部業務が増えます。プロジェクトにもよりますが、想定より5倍は増えると思っていてOKです。プロジェクトに対する採算管理、予算実績管理からクライアントとの予算交渉などの時間や、プロジェクトに対するメンバーのアサインやその教育など、プロジェクトの運営に関する業務も増えることになります。何を隠そう私はこれらの業務が大嫌いです。1ミリも専門分野の知識を磨けるわけでもなく、ただプロジェクトというものを効率的に運営することだけを求められます。また、監査法人の各職階の標準金額がいかに高いのかを身をもって感じることができます。あの単価レベルの価値を生み出すのは結構なプレッシャーなんですよねぇ。ただ、この単価を知りながらクソみたいな金額で受注して自分の手柄に少しでも足しにしようとするクソパートナーがいることもハッキリと認識することが出来ます。

手を動かす時間が減る

マネージャー以上になると、上記の内部業務に加えて、どうしてもレビュー業務が中心となるため、自分で手を動かして1から何かを作成する時間が減ることになります。とはいえやはりアソシエイトに作成してもらった資料は突っ込みどころ満載なことが多いので、本気で成果物をしっかりさせようと思ったらほぼ1から作り直しということもあります。ただし、マネージャーの単価はやたらと高いので、仮に1から作り直した時間を全てチャージするととんでもない金額になってしまうため、こっそりと自分の時間はつけずに資料の修正をしているマネージャーも多いと思います。

年収(ボーナス)が増える

はい。正直、監査法人なめてました。一応こういうブログを書いている以上、USCPAで監査法人に入るのはコスパが良いですよ、と何度も書かせていただいていますが、マネージャーになってさらにその思いを強くすることになりました。コスパ良すぎです。内部業務が増えて面倒になったのは嫌で嫌でしょうがないですが、マネージャー1年目ではじめて給料をもらったときは「こんなものか」という感じだったのですが、ボーナスをもらったときに自分が自然とニッコリしていたことに金の力を感じました。とはいえ最近は事業会社でも賃上げのラッシュがすごく、すでに監査法人より高い給与の事業会社もあると聞きます。監査法人から給与を取ってしまったら何も残らないので、ここは頑張ってほしいところです。

マネージャーとはいえ大したことない

アソシエイトやシニアアソシエイトの時代は「マネージャーってすげぇ」とか思っていたのですが、いざ自分がマネージャーになってみて周囲を見渡してみると「あれ?なんか変な人多くない?」となりました。さらに、マネージャーより上の職階の人との交流も増えるので、これまでコミュニケーションをとってこなかった内部の人とも関わりが増えるのですが、「なんか上の方にいる人、おかしな人多くない?」となりました。一言で言うと「何か思っていたのと違う」という感じなのですが、これはもしかしたら私が所属している監査法人のレベルそのものが下がったということなのかもしれませんね。ちょっとそこは直視しないでおこうと思います。

人によって業務量の差が天地

マネージャーは人によって業務量の差がめちゃくちゃあります。そもそも私自身がその差を経験しているのですが、参加するプロジェクトで絶望的な格差があるのです。

例えば超大企業の毎年同じようなことをやるプロジェクトのマネージャーの場合、あまりにも規模がでかいのでそのプロジェクトの1つの領域のリーダーを任されるというレベルになります。これでも十分忙しいのですが、やることは毎年きまっているし、プロジェクトの人口ピラミッドもしっかりと下にいくにしたがって増えていくというきれいな形をしていることが多いので、きれいにスタッフに仕事を依頼することが出来ます。

逆にそこまで大きくないプロジェクトのマネージャーとなった場合、そこまでクライアントからお金をもらうことができないので、自分の下にアソシエイトをつけることもできないし、クライアントとのやり取りから内部の動かないパートナーの承認を得ることまでも全て自分でやらなければならないし、さらにそこまでお金を貰えないということは自分自身もそのプロジェクト以外のプロジェクトにも参加してチャージする時間を埋め合わせなければならないので、同じようなクソ忙しいプロジェクトにさらに参加しなければなりません。私も一時期5つのプロジェクトを掛け持ちしていたのですが、それぞれのプロジェクトにアサインされる割合が20%だとしても、クライアントから見るとその人がカウンターパーティなわけなので、全員から100%を求められるわけです。実質500%のような(実際にはそこまでいきませんが、イメージとして)働きぶりを期待されているので、もう全然忙しくて大変なことになるわけです。

まだあると思いますが、こんなところで一旦切り上げたいと思います。最後のマネージャーの忙しさが人によって全然違う問題はまた別途どこかで詳細に記載したいですね。監査法人のマネージャーのマイナスの部分だと思いますので、とんでもない量の記事が書けてしまいそうです。

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